ホモ・デウス の感想 人は、神になるのか。
ホモデウスはサピエンス全史がなぜかすごい売れて話題になったハラリ氏の新著です。
プログラマーやエンジニアにとってはこっちのホモデウスの方がおすすめできるとおもいます。
別にこの本読んだからって特になにか変わることはありませんが、まあ時間があるなら暇潰しに読む価値があると思います。
個人的にはホモデウスの方が面白いので、時間ないひとはこっちを読むといいです。
- 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/09/05
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ホモデウスは主にこれからどうなっていくと予想できるかがかかれています。
飢餓、疫病、戦争が大きく改善されこれから人類が何を目指していくのか、不老不死や幸福、神性などについてのべられています。
飢餓や疫病が大きく改善されていることは普通の人でもよくわかっていると思います。
戦後は中国の大躍進政策の大失策で大量の餓死者(数千万人?)が出ましたが、あれは明らかな人災であり、干魃や洪水など現代の人間の力ではどうにもならない要因で、人口の何割かが餓死したり、疫病で人口の半分が死んだりということは起こらなくなりましたし、これからもそこまで心配している人は多くないと思います。
戦争などの暴力で死ぬ人もものすごく減りました。ここら辺は、暴力の人類史を読むことをお勧めします。
- 作者: スティーブン・ピンカー,幾島幸子,塩原通緒
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2015/01/28
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これまで人類がずっと悩んでいた三大問題が大きく改善されましたし、これからも改善していくと思います。サピエンス全史はここについてかかれていました。
ホモデウスはその先についてかかれています。
といっても上巻結構サピエンス全史と被る部分も多いです。心や意識、人間と動物についてかかれています。
物語と虚構について多く割かれてます。
虚構をみんなで信じることでサピエンスは発展することができたというのはすごく面白い視点だとおもいます。
科学の発展により自由意思も自己も魂も否定され、いってしまえば電気的な制御で人間は操れるわけです。
この先、宗教や政治がいったいどうやって科学の発展に折り合いをつけていくのかとても興味深いですね。
こういう本は新しい物の見方が得られることもたまにあるので時間があるときはできるだけ読むようにしています
大雑把に言うと科学の発展によってよっていままで以上に多くのものをコントロールできるようになるということでしょう。不死や幸福などはその最たる例で。
老いにしろ幸福(生化学的なもの)にしろ純粋に技術的には改善できない理由はないわけで、もちろんいつ実現できるかはわかりませんが。
そういう意味では少なくとも今現在はコントロールできるようになるものが増えれば増えるほど少なくとも人類にとってはいい社会になってきたわけで(サピエンス全史によるとね)、これからも科学の発展によって人類の生活や社会はよくなっていく期待が持てるんだと思います。
彼が述べているものの中でも特に際立つものは神性でしょう。
神になるというのは、ここでは人間の生化学的な基盤を制御できるようになることを指していると思います。本書にそう書いてあったので。
老いと死、苦痛から解放され、強い免疫や幸福を科学的に手にいれあらゆる臓器や情動、知能をデザインできるようになっていく可能性があると。
しかしそれを達成した人類はすでにホモサピエンスではなくもはやホモデウスであると、そういうことだと思います。
つまりは永遠への挑戦でしょう。
ほとんどの人は永遠などないと知っています。ずっと若くはいられないし、ずっと健康ではいられないし、ずっといい生活ができるわけではないし、ずっと幸福ではいられない、ずっと栄えていることはできないと。いわゆる諸行無常ってやつですね。
それでいてほとんどの人はずっと永遠を追い求めてきたわけです。ずっと若く美しく健康で幸福でいたいと。
それがあり得ないとは言えない段階になってきているのではないでしょうか。
まあなんにせよ私が生きているうちには無理そうですけどね。
ただ、生命科学をそろそろ真面目に勉強しなきゃいけないなあという気分にはなります。
脳や神経科学もやはりある程度は知っておかなきゃいけないなあと思ったので、脳神経学もすこしやってみようと思います。細胞生物学とか覚えてるかなあ、ほとんど忘れてる気がします。
上巻はサピエンス全史と被る部分も多いですね。
ハラリ氏の本は非常に読みやすいので、ジャレドダイアモンド氏やスティーブンピンカー氏やドーキンス氏とかの本よりずっとすらすら読めます。
サピエンス全史んももう一回読み直そうかなあ。
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